美容学生の「学び」になる構成で2本連続10万回再生|美容サロンモードケイズのTikTok運用事例

株式会社モードケイズ様は、1995年に創業し、大阪府池田市に本社を置く美容室運営企業です。関西を中心に国内外でサロンを展開しており、新卒採用と認知拡大を目的にTikTokを運用しています。
そのTikTokで、カット動画が2本連続で10万回再生を達成しました。きっかけは、技術の場面を撮影者の目線で見せる「POV」の撮り方を見直したことです。見直しの軸になったのは、その動画が美容学生にとって「学び」になるかどうか、という視点でした。
本記事では、なぜPOVで撮るのか、撮り方をどう変えたのか、そして成果をどう読み取れるのかを順に紹介します。

モードケイズ様は採用サイトでも、募集要項に加えて、カリキュラム、クリエイティブ活動、スタッフの一日などを紹介しています。入社後にどのような環境で技術を学ぶのかを、求職者へ具体的に伝えている会社です。出典:公式採用サイト
POV形式で技術の場面を発信する狙いは、この学ぶ環境を、美容学生が自分の目で確かめられる形にすることにあります。そこで得た学びを入口に、アカウント、そしてモードケイズ様へ関心を持ってもらう流れをつくります。
まずは、「POV」という形式の特徴から見ていきましょう。

POVは「Point of View」の略で、撮影する人の視点に近い位置から現場を映す形式です。画面の手前に撮影者の手元が映り込むため、視聴者はその人の目を借りて現場を見ているような感覚になります。
第三者の位置から撮る映像は、場の全体や人の表情を伝えることに向いています。POVはそれとは役割が異なり、「その場に自分が立ったら何が見えるか」を伝えられる撮り方です。
美容室の現場に置き換えると、POVで映せるのは、髪に対する手の角度、ハサミやコームの動き、手元と髪との距離感などです。いずれも、外から眺めるだけではつかみにくく、その位置に立って初めて見えてくるものといえます。

新卒採用で出会いたいのは、美容師を目指して学んでいる美容学生です。就職先を考えるとき、サロンの雰囲気に加えて、入社後にどのような環境で技術を身につけるのかも、気になる点の一つでしょう。
美容学生は、学校で日々技術を練習しています。POVで撮られた技術の場面は、練習中に自分が見ている手元と近い目線で映るため、「自分ならどう動かすか」を重ねながら見られます。現場の技術を自分の練習に引き寄せて受け取れることが、POVならではの学びの形です。
学校の授業とは別の角度から、現役のスタイリストの技術に触れられることも、美容学生にとっての価値になります。
狙いとしている流れを、美容学生の側から整理すると次のようになります。

起点にあるのは、動画そのものが学びになることです。学べる動画が続けば、視聴者にはアカウントを追いかける理由が生まれます。その積み重ねが、「この技術を教えているのはどんなサロンなのか」という会社への関心につながっていく、という設計です。
POVは、この流れの入口と出口の両方に関わります。入口で働くのは、技術を自分の目線で見られるという学びの価値です。出口では、映っている現場がそのままモードケイズ様のサロンであるため、学んだ技術と「その技術を教える会社」が自然に結びつきます。
ただし、POVで撮れば必ず学びになるわけではありません。誰の目線で、何を画面の中心に置くかによって、伝わる内容は変わります。
その見直しが、今回の撮影形式の変更です。
動画の方向性の変更前は、アシスタントが技術を習うスタイルでPOV撮影を行っていました。教わる側の視点に近い映像で、サロンで学ぶ現場の雰囲気を伝えられる構成です。
変更後は、スタイリストがカットを実演し、その周りをアシスタントが囲んで質問する形式にしました。対象動画はカットするスタイリストの目線に近い位置から撮影されており、画面の手前にはハサミとコームを持つ手元が映ります。周りのアシスタントとのやり取りも、同じ映像の中に収められています。
該当の動画

動画1:メンズのスパイキーショートカット-先輩のやり方を見学
動画2:くびれ型ヘアセットのポイントは?-スタイリストのヘアセット自主練
変えた部分を整理すると、次のとおりです。

変更前の構成も、サロンの教育の雰囲気を伝える役割を果たしていました。変更後は、同じPOVのまま目線を技術を持つ側へ移し、そこに「視聴者が持ち帰れる技術」を加えた形といえます。
実演と質問を担うのはサロンのスタイリストとアシスタントです。Oisuは、アカウントコンセプトの策定から、動画の企画・撮影・編集、視聴データの分析とコンテンツの最適化までを支援しています。この変更を支えた工夫は、大きく2つに整理できます。
1つ目は、カットするスタイリストの目線から、手元の技術を映像の中心に据えたことです。ハサミを入れる角度や、コームで髪を取る動きが、視聴者自身の手元のような位置で映ります。
美容学生にとって、現役のスタイリストの手元を同じ目線で追えることは、現場で求められる技術を知る材料になります。細かな手の動きも、視聴者の目の前で展開されるため、繰り返し見て確かめたくなる映像です。
採用発信で技術の場面を見せるときは、働く姿を映すことに加えて、誰の目線で撮れば視聴者が技術を持ち帰れるかが、学びになるかを左右します。
2つ目は、アシスタントがスタイリストを囲んで質問することです。実演を見ているだけでは分かりにくい点を、会話で補えます。
アシスタントは、美容学生と経験の近い立場です。そのため、アシスタントが現場で抱く疑問は、技術を学び始めた視聴者の疑問とも重なりやすいと考えられます。自分の代わりに質問してくれる人がいることで、視聴者は実演を自分ごとの学びとして受け取りやすくなるはずです。
POVで技術を見ている視聴者にとって、周りのアシスタントは同じ場に並んで立つ先輩のような存在です。スタイリストの目線で手元を追いながら、隣から投げかけられる質問と答えも聞けるため、見る学びと聞く学びが一本の動画の中でそろいます。
入社後の自分を重ねられる点も、この構成の特徴です。スタイリストに質問しながら技術を吸収するアシスタントの姿は、モードケイズ様に入社した後の学び方を想像する手がかりにもなります。
同じ形式を自社で取り入れる場合は、実演する技術に加えて、学ぶ側が知りたい点を事前に確かめておきたいところです。

2026年10月2日時点の報告では、対象動画が10万回再生を突破しました。POVの目線をスタイリスト側へ移し、アシスタントの質問を組み合わせる形式に変えてから、2本連続での達成です。
再生数に加えて、保存数の増加も報告されています。保存はあとで見返したい動画に使われる機能であり、この変化からは、動画が美容学生にとって学びとして「見返したい内容」になったと読み取れます。
担当者もこの反応を受けて、視聴者のためになる動画を届けていくことの大切さに気づいたと振り返っています。学びになる動画を目指した構成変更が、再生に加えて保存という形でも、結果的に視聴者に受け止められたといえるでしょう。

モードケイズ様は、新卒採用・認知拡大を目的にTikTokを運用し、技術の場面をPOVで見せる動画で、美容学生にとっての学びを入口にした発信を進めています。
今回は、アシスタントが習う様子を見せるPOVから、スタイリストの目線で実演を見せ、アシスタントの質問で補うPOVへ変更しました。その後、2本連続で10万回再生を達成し、結果として保存数も増えました。
この事例から持ち帰れるのは、学ぶ現場を見せることに加えて、視聴者自身が学べる内容まで設計する視点です。技術を見せる人と、疑問を聞く人の役割を分けて学べる内容に整えたことで、動画は結果的に保存されるほどの学びとして受け取られました。こうした学びの積み重ねが、その技術を教えるサロンへの関心を育てる入口になります。

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