エモハルドラマの累計4,600万回再生を支えた、動画の質を保つ週1本の運用|ショートドラマ制作事例

縦型ショートドラマに参入したい、あるいは今の取り組みを強化したいと考えたとき、「数日で何十万回再生」といった1本単位の成功例は目にしやすいものです。ただ、依頼先を検討する立場で本当に知りたいのは、作品の質を保ったまま毎週出し続けられるか、その途中でどう作品を良くしていくのか、という点ではないでしょうか。
本記事では、株式会社メディアミックス・ジャパン様の縦型ショートドラマ「エモハルドラマ」について、立ち上げから現在までをOisuの支援の視点でたどります。読み終えたときには、エンタメとして質の高いショートドラマを続けていくために、企画と運用で何を見ればよいかを具体的に判断できるはずです。
この記事で分かること
エモハルドラマの現在地(再生数、アワード、舞台化)
立ち上げ期に、視聴データをもとに題材を見直した経緯
代表作2本の企画の狙いと数値
週1本の運用で、質を保つために見ている指標
エモハルドラマは、メディアミックス・ジャパン様が新規事業として立ち上げた縦型ショートドラマのアカウントです。ドラマ制作の経験を持つ一方で、SNSで縦型ショートドラマを運用するのは初めての取り組みでした。
どの媒体で、どんな視聴者に、どのような方向性の作品を届けるかも決まっていない段階から、戦略づくり、コンテンツ制作、運用までをOisuにご相談いただいています。
立ち上げ期にOisuが担ったのは、アカウントコンセプトの策定、撮影・編集を含む動画制作、そして視聴データの分析と内容の見直しです。立ち上げ以降も、作品の企画判断と運用に伴走しています。
では、エモハルドラマは今どこまで広がっているのでしょうか。主な数字と出来事を並べると、次のとおりです。
時点と範囲がそれぞれ異なるため、合わせて記載しています。

出典:メディアミックス・ジャパン様の発表(PR TIMES)
※累計4,600万回は複数の媒体を合わせた数字で、TikTok単体の再生数ではありません。
注目したいのは、SNSで生まれた作品が、アワードでの評価や舞台という別の場へと広がっている点です。縦型ショートドラマが、SNSの中だけで消費されるコンテンツにとどまらず、エンタメ作品として受け止められていることを示す出来事といえます。
SNSの縦型ショートドラマに初めて取り組んだところから、どのようにして作品を出し続ける土台を作ったのか。まずは立ち上げ期を振り返ります。

立ち上げ期に大切にしたのは、最初に決めた題材を正解と決めつけず、実際に見ている人に合わせて作品を合わせ直すことでした。
最初のコンセプトは、競合調査とターゲット分析をもとに組み立てています。初期テーマは「青春」。TikTokとInstagramリールを中心に、週1本以上のペースで配信を始めました。運用開始から2カ月で、16万回再生の作品が生まれています。
ヒットが出たあとに当時の視聴データを確認すると、想定していた10代よりも、大学生から社会人の視聴が多いことが分かりました。作品は見られていたものの、届けたいと考えていた相手と、実際に見ている相手がずれていた状態です。そこで題材を「大学生〜社会人の男女恋愛」へ見直しました。
見直し後の1本目は31万回再生を突破しました。2025年2月時点では、1本あたり最小7万回から最大233万回の再生を記録しています。2024年12月には月間270万回再生に達し、企業からタイアップの相談も入り始めるようにました。
この経緯から言えるのは、立ち上げ期に生まれた最初のヒットは、ゴールというより視聴者を知るための材料だということです。誰が見ているのかが分かれば、次に作るべき題材も具体的になります。題材を実際の視聴者に合わせて調整したことが、その後に作品を出し続けるための土台になった、というのがOisuの見方です。
立ち上げ期の取り組みは、Oisuの事例紹介ページでも紹介しています。題材が定まったあと、作品の質はどこで決まるのか。続いて代表作2本から見ていきます。

ショートドラマの質というと、映像の美しさや演技の完成度が思い浮かぶかもしれません。エモハルドラマでそれらに加えて重視しているのは、題材のリアルさと、見終えた視聴者が自分の意見を言いたくなる構造です。
題材のリアルさは、視聴者が「自分にも起こりそう」と感じながら最後まで見続ける理由になります。意見を言いたくなる構造は、見終えたあとのコメントや、次の作品への関心につながる入口です。この2つを企画の段階から作品に組み込むことを、エモハルドラマでは作品の質と捉えています。
代表作2本を、題材・狙い・数値に分けて整理しました。数値は2026年2月3日時点の分析によるものです。
作品 | 題材 | 企画の狙い | 数値(2026年2月3日時点) |
|---|---|---|---|
男女のやり取りと、その距離感 | やり取りや距離感にリアルさを持たせ、女性視聴者が共感しながら最後の展開まで見たくなる構成にする | 290万回再生、新規フォロワー4,800人 | |
職場で起こり得る問題 | 「自分ならどうするか」「この対応はどうなのか」と、視聴者が意見を言いたくなる構成にする | 180万回再生、平均視聴時間37.2秒、フル視聴率21.25% |

※画像左が「Switch」,右が「セクハラ部長 前編」
「Switch」は、男女の距離感のリアルさを軸にした作品です。1本の作品から4,800人の新規フォロワーが生まれており、作品を見た人がアカウントを追いかけ始める入口にもなっています。
「セクハラ部長 前編」は、意見を言いたくなる構造を軸にした作品です。職場で起こり得る出来事を題材にし、正解が一つに決まらない状況を置くことで、視聴者が自分の立場から考えられるようにしています。この作品では再生数に加えて、平均視聴時間やフル視聴率も確認しています。
2本に共通するのは、題材が視聴者の日常の延長にあり、見た人がどちらかの立場に自分を重ねられることです。作品の質を、映像の完成度だけでなく「最後まで見続ける理由」と「反応したくなる理由」まで含めて設計している点に、エモハルドラマの作品づくりの特徴があります。

毎週作品を出しながら質を保つために、エモハルドラマでは公開後の反応を次の企画へ戻す流れを、運用の中に組み込んでいます。
配信は基本的に週1本、金曜20時です。前後編のように物語が続く作品は、追加で投稿することもあります。決まったリズムで出し続けることで、作品ごとの反応を近い条件で比べやすくなります。
公開後の振り返りで見ているのは、再生数だけではありません。主に次の4つも合わせて確認しています。
視聴時間:作品がどこまで見られているか
フル視聴:最後まで見られているか
コメント:視聴者が意見や感想を書き込んでいるか
フォロー:作品をきっかけに、アカウントを追いかけ始めているか
再生数は、作品がどれだけ広く届いたかを示しますが、ここで紹介した4つの指標は、届いた先でどれだけ見られ、どれだけ反応されたかを示す指標です。両方を合わせて見ることで、「よく見られた作品」と「アカウントを追いかける理由になった作品」を分けて判断できます。
こうした振り返りは、企画の選び方にも反映しています。実際の分析では、アカウント内の作品を比べると、恋愛の雰囲気を見せる企画よりも、問題や対立が分かりやすい企画が伸びる傾向が見られました。
この結果を受けて、企画を選ぶときの軸を、ジャンルから「視聴者がどちらかの立場を選べる」「自分の意見を言いたくなる」という構造へと移しています。
視聴者の傾向も、企画の判断材料になっています。再生上位の通常投稿では、女性視聴者が7-8割を占めていました。そのため、女性が共感しやすい題材や正解が一つに決まらない状況を選び、企画の段階からコメントが生まれる作りを意識しています。前章の「セクハラ部長 前編」も、職場の問題を題材に視聴者の意見を引き出す構造を持つ作品です。
毎週の運用で質を保つための要点は、伸びた作品の題材そのものを繰り返すことではなく、伸びた理由になった「構造」を見極めて次の企画に引き継ぐことにあります。複数の指標で作品を振り返り、その結果を企画の選び方へ戻し続けることが、週1本のペースでも作品の質を保つための仕組みになっています。

エモハルドラマは、SNSの縦型ショートドラマに初めて取り組む状態から始まりました。立ち上げ期には視聴データをもとに題材を見直し、その後は週1本の配信を続けながら、作品の質を保つ工夫を重ねています。
作品づくりの軸にあるのは、題材のリアルさと、視聴者が自分の意見を言いたくなる構造です。運用では、再生数に加えて視聴時間、フル視聴、コメント、フォローを確認し、伸びた構造を次の企画へ引き継いでいます。
SNSで生まれた作品は、累計4,600万回の再生、アワードでのノミネート、そして2026年11月の舞台化へと広がりました。エンタメとして質の高いショートドラマを続けていくには、作品をつくる力と、公開後の反応から次の作品を考える運用を、一つの流れとして回し続けることが欠かせません。

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「何を話せばいいか分からない」という段階の方も歓迎です。まずは現状をお聞かせください。
たとえば、こんなご相談をいただいています。
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「週1本のペースで作品を出し続けるには、どんな制作体制が必要か知りたい」
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…など
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