2026.10.03

複数ブランド・SKUの縦型動画を、世界観と広告表現を守りながら継続制作する方法【某大手コスメ企業様事例】

香りのライフスタイルブランドを展開する某大手コスメ企業様では、2年近くにわたり、OisuがInstagram・Meta向け縦型動画広告の制作を継続して担当しています。

Oisuが携わってきたのは3つのブランドで、商材は香水、柔軟剤、フレグランスウォーター、芳香消臭剤、ヘアスタイリング剤の5カテゴリです。
これまでに制作した新規の広告素材は32本になります。

Oisuはこの継続を、6つの企画パターンの使い分けと、表現上の配慮という2つの取り組みで支えてきました。
本記事では、その取り組みについて触れるとともに、結果としてどのような運用が可能になったかまでを紹介します。


導入前の課題|複数ブランドの広告素材を、並行して作り続けること

縦型動画広告は、1本作って終わりにはなりません。セール、新商品、季節ごとに伝えたいことが変わるため、複数のブランドを持つ企業ほど、訴求の違う広告素材を途切れずに用意する必要があります。

某大手コスメ企業様がOisuに求めていたのも、こうした広告素材を継続して作れる体制でした。中心にあった課題は、複数ブランド・複数商品・複数の訴求を短い期間で並行して制作しながら、ブランドらしい表現と購入につながる導線を両立させることです。

この中心課題は、具体的には次の4つの要件に分かれます。

  • 香りを映像で伝える:画面に映るのはボトルやパッケージで、香りそのものは視聴者に届かない。使う場面や周りの反応を通して、香りの価値を見える形にする

  • 世界観と購入への導線を両立する:冒頭の引き、セールなどのオファー、購入への呼びかけを入れながら、ブランドごとの世界観を守る

  • 誤解や誇大に受け取られる表現を避ける:販売期間や商品の分類に合わせて、使う言葉を選ぶ

  • 短納期でも正確さを崩さない:尺、素材の権利、商品表記、修正の履歴を、スピードが求められる場面でも正しく管理する

1つずつなら満たせる要件でも、複数ブランドで同時に、しかも継続して満たすには、1本ごとの判断を支える共通の基準が要ります。Oisuがその基準として整えてきたのが、次に紹介する2つの取り組みです。


取り組み①|6つの企画パターンを使い分け、1本ごとに役割を持たせる

1つ目の取り組みは、広告素材を1つの型にそろえず、6つの企画パターンから商材と目的に合うものを選ぶことです。パターンごとに中心で見せるものが違うため、1本ごとに担う役割もはっきりします。

この使い分けは、「香りは動画に映らない」という課題への答えにもなっています。生活導線型は香りを使う場面で、UGC型は周りの人の受け取り方で、香りの価値を伝える役割です。セール・獲得型は価格や期間をはっきり示し、購入のきっかけを作ります。Oisuは、世界観を担う素材と購入を後押しする素材を分けることで、ブランドらしさを保ちながら、新しい顧客に向けた訴求も並行して出せると考えています。

たとえばある制作では、限られた撮影素材から、役割の異なる10本の広告素材を作り分けました。切り口は、男女別の使用シーン、日常使い、セール、第三者の反応、においの悩み、香りの比較などです。
企画パターンに当てはめると、生活導線型、セール・獲得型、UGC型、課題解決型、比較・検証型の5つにまたがります。

撮影素材が限られていても、パターンを変えれば「誰に、どんな理由で選んでもらうか」の違う広告素材を作れます。パターンの使い分けによって、本数を増やすことがそのまま訴求の幅を広げることにつながりました。

取り組み②|表現上の配慮を、クライアントと場面ごとにすり合わせる

2つ目の取り組みは、表現上の配慮です。香りの商材の広告では、ブランドのトーンや購入への訴求と、薬機法・景品表示法にかかわる表現の調整を両立させる必要があります。Oisuは誤解を招きやすい言葉をクライアントと細かくすり合わせ、場面ごとに使う表現を決めてきました。

たとえば、次のような調整です。

  • セール開始前の広告素材では、「今なら」を外す

  • 強い香りと誤解されないよう、「強すぎない香り」と表現する

  • 販売店で撮影した場面では、店舗名を正式表記にし、撮影協力を明記する

  • フレグランスウォーターは制汗剤と誤解されないよう商品分類を守り、「一日中」ではなく「スプレーした瞬間」の感覚として伝える

共通しているのは、使えない言葉を外したあとに、代わりの言葉を用意している点です。「一日中」を外した代わりに「スプレーした瞬間」の心地よさを伝え、香りの強さは「強すぎない」という言い方で、買い手が商品を選ぶ理由となるように残しています。
ただ言葉を削るだけでは訴求が弱くなるため、Oisuはどの場面でどの表現に置き換えるかを、構成の段階でクライアントと決めています。

表現の基準を構成の段階で共有しておくことは、ブランドや商品が増えても判断をぶらさないための備えです。
Oisuではこの配慮を、世界観と広告表現の両方を守るための仕組みとして位置づけています。


2つの取り組みを支える進行|制作前に6つの条件をそろえる

企画パターンの使い分けと表現上の配慮を、複数ブランドで毎回同じ精度で回すには、進行の土台も欠かせません。Oisuが制作の最初に固めるのは、尺、媒体、目的、オファー期間、使用素材、権利条件の6項目です。構成の承認を得てから、撮影・編集へ進みます。

たとえばオファー期間が先に決まっていれば、セール開始前の素材から「今なら」を外す判断も構成の段階で済ませられ、1本ごとの確認は「決めた条件に合っているか」を見る作業に絞れるのが利点です。Oisuは、この順番があるからこそ、短納期の制作が重なっても尺や権利、商品表記を崩さずに進められると考えています。


成果|2年近く、3ブランドの広告素材を継続作成

こうした進め方を重ねた結果、某大手コスメ企業様の縦型動画広告は、2年近く途切れずに制作が続いています。Oisuが取った行動と、そこから生まれた成果は次の4つです。

  • 継続と量:企画から修正・納品までを一貫して担い、制作前に条件をそろえて複数の制作を並行させました。その結果、3ブランド・5カテゴリの制作に携わりながら、新規の広告素材を32本届け、現在も制作が続いています。

  • 限られた素材から訴求を広げる:撮影素材が限られる中で、使用シーン、セール、においの悩みなどに切り口を分けました。結果として、手元の撮影素材から役割の異なる10本の広告素材を作り分けています。

  • 発売スケジュールに間に合わせる:尺や注釈、税込表示などの表現確認を、編集段階の工程に組み込みました。工程の追加により、新商品の広告素材6本を2回目の修正で確定させ、発売前に仕上げています。

  • 要望の変化に合わせて直す:オファー内容が変わった際には、新しい条件に合わせて表現と情報を見直しました。実際に、既存の広告素材5本の修正も要望の変化に対応しています。

いずれも、クライアントの要望や販売のスケジュールに合わせて、制作の運用を止めずに回してきた結果です。1本ごとの役割と言葉の基準がクライアントと共有されているため、新商品やオファーの変更があっても、同じ精度で次の広告素材へ進めています。


まとめ|量産を支えるのは、崩れにくい決めごと

某大手コスメ企業様の縦型動画広告では、Oisuが2年近く、3つのブランドの制作に携わり、32本の新規広告素材を届けてきました。複数ブランドの広告素材を並行して作り続けるために、Oisuは次の3つを決めごととして持っています。

  • 企画:6つの企画パターンを使い分けて1本ごとに役割を持たせ、香りを「使う場面」と周りの反応で伝える

  • 表現:使わない言葉と、代わりに使う言葉を、クライアントと場面ごとに決める

  • 進行:尺、媒体、目的、オファー期間、使用素材、権利条件の6項目を制作前に固める

縦型動画広告の量産を考えるときは、本数の目標より先に、1本ごとの役割、守るべき言葉、制作前にそろえる条件を決めておきたいところです。この3つが、ブランドを崩さずに本数を重ねていく土台になります。


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